電子カルテの更新や見守りセンサーの導入が進むなか、看護師の面接でも「AIやICTの活用についてどう思いますか?」という質問をされるケースが増えてきました。突然聞かれると「使ったことがないのに何を答えれば…」と戸惑ってしまう質問ですが、実は採用側が見ているのは機械の知識ではありません。
この記事では、面接でAI・ICT関連の質問をされたときの答え方の型と、逆に応募者の側から職場のデジタル化の実態を確認する逆質問のしかたを、例文つきで解説します。
面接官がこの質問で見ていること
「AIについてどう思うか」という質問で評価されているのは、新しい仕組みへの適応力と学ぶ姿勢です。病院や施設にとって、電子カルテの入れ替えや新機器の導入はスタッフの協力なしには進みません。だからこそ、「変化を前向きに受け止めて覚えようとする人か」「不慣れなことにも取り組めるか」を確認したいのです。
つまり、最新技術の知識を披露する必要はまったくなく、「新しい仕組みは積極的に覚えたい」という姿勢と、その裏付けになる小さな経験を話せれば十分合格点です。
質問パターン別・答え方の型
よく聞かれるパターンと答え方の方向性を整理しました。
| 質問例 | 答え方の型 |
|---|---|
| AIやICTの活用をどう思いますか? | 賛成の立場+「記録が効率化した分、患者さんと向き合う時間が増える」と看護の質につなげる |
| 電子カルテは使えますか? | 使用経験のあるシステム名を正直に。未経験なら「操作は覚えが早い」と習得エピソードを添える |
| 新しい機器の導入に抵抗はありますか? | 「最初は戸惑うがマニュアル化・共有で覚えるタイプ」と具体的な覚え方を話す |
| AIに仕事を奪われると思いますか? | 「業務の補助はAI、判断やケアは人」と役割の線引きを自分の言葉で |
回答例をひとつ挙げると——「前職で記録テンプレートの導入がありました。最初は入力に時間がかかりましたが、部署内で入力例を共有する工夫をして、結果的に残業が減って受け持ち患者さんのケアに時間を回せるようになりました。新しい仕組みには前向きに取り組みたいと考えています」。このように経験→工夫→看護への効果の順で話すと説得力が出ます。
「機械が苦手」という方こそ、正直に伝えたうえで「マニュアルをメモにまとめて覚えた」「若手に教わりながら習得した」など苦手をどう乗り越えたかを話しましょう。苦手を隠すより、乗り越え方を語れる人のほうが信頼されます。
逆質問で職場のデジタル化を確認する
AI・ICTの話題は、応募者の側から職場の実態を確認するチャンスでもあります。逆質問の時間に次のような聞き方をすると、入職後のギャップを減らせます。
「看護記録はどのようなシステムを使われていますか?音声入力などは導入されていますか」——設備の実態と、記録残業の多さをさりげなく確認できます。「新しいシステム導入の際は、どのような研修がありますか」——教育体制の手厚さがわかります。「ICT化で業務がどう変わったか、現場の実感を伺えますか」——形だけの導入か、定着しているかを見分けられます。逆質問の基本マナーは面接の逆質問の記事で詳しく解説しています。
答えに詰まらないための準備
面接前に、これまで使ったことのある電子カルテ・機器・システムを名前つきで書き出しておくと、経験を聞かれたときにすぐ答えられます。職務経歴書に「使用システム」として書いておくのもおすすめです(職務経歴書の書き方参照)。また、想定問答をつくったら声に出して練習しておくと本番で慌てません。練習方法は面接練習のやり方をどうぞ。
まとめ
- AI・ICTの質問で見られているのは知識ではなく適応力と学ぶ姿勢
- 答えは経験→工夫→看護への効果の順で組み立てる
- 苦手な人は「どう乗り越えたか」を語れば十分評価される
- 逆質問で記録システム・研修体制・定着度を確認できる
- 使用経験のあるシステム名は面接前に書き出しておく
面接対策の全体像はよく聞かれる質問と回答例を、デジタル化が進む職場の見極め方はAI・ICT導入が進む職場の見極め方をあわせてご覧ください。
