「有給が20日近く残っているけれど、退職前に全部使えるのかな」「引き継ぎもあるし、言い出しにくい」——年末や年明けの退職を考え始めた看護師さんから、とても多く聞く悩みです。シフトで回る病棟では、有給をまとめて取ること自体に気が引けてしまいがちですよね。
でも、有給休暇は働く人の権利で、退職前に計画的に使うのはごく普通のことです。大切なのは「いつ・何日・どう伝えるか」を退職の申し出と同時に組み立てておくこと。この記事では、11月〜12月に退職の相談を始める看護師向けに、有給消化の段取りと伝え方、引き継ぎとの両立のコツをまとめました。
まずは「残日数」と「職場のルール」を確認する
最初にやるのは、自分の有給が何日残っていて、いつ失効するのかを正確に把握することです。給与明細や勤怠システム、総務・人事への問い合わせで確認できます。あわせて就業規則で、退職の申し出期限、有給の申請方法、買い取り制度の有無を見ておきましょう。
なお、有給の買い取りは法律上の義務ではなく、職場の規程や個別の相談しだいです。「使い切れなかった分は買い取ってもらえるはず」と思い込まず、使い切る前提で計画を立てるほうが確実です。細かい扱いは職場の担当者や労働基準監督署などの公的機関に確認してください。
有給消化の組み方は3パターン
| パターン | 組み方 | 向いている人 |
|---|---|---|
| まとめて最後に | 最終出勤日のあとに有給をまとめて取り、退職日を後ろにする | 次の職場の入職日まで余裕がある人・引き継ぎを先に終えたい人 |
| 分散して取る | 引き継ぎ期間中のシフトに有給を少しずつ組み込む | 病棟の人手が少なく、まとめて抜けにくい人 |
| 組み合わせ | 引き継ぎ中は数日分散、残りを最後にまとめる | 多くの人にとって現実的。師長と相談しやすい |
いちばん現実的なのは「組み合わせ」です。引き継ぎ中に少しずつ休みを入れ、残りを最終出勤日のあとにまとめる形にすると、病棟側の負担も、自分の取り残しも小さくできます。
伝えるタイミングは「退職の相談と同時」
有給の話は、退職の意思を伝えるときにセットで切り出すのがいちばんスムーズです。退職日が決まってから「実は有給が…」と言うと、すでに組まれたシフトの作り直しになり、気まずさも増します。切り出し方の基本は退職を切り出すタイミングと伝え方を参考にしてください。
伝え方の例:「◯月末で退職させていただきたいと考えています。引き継ぎは◯月◯日までに終える予定で、残っている有給◯日はその後に使わせていただけないでしょうか」。最終出勤日・有給の日数・退職日の3点を具体的に出すと、師長もシフトを組みやすくなります。退職届に書く日付は、有給消化後の「退職日」になる点にも注意しましょう(退職届・退職願の書き方)。
「みんな忙しいのに休むのは申し訳ない」と感じるのは、それだけ職場を大切にしてきた証拠です。でも、有給はこれまで働いてきた分として認められた休み。引き継ぎをきちんと終えて、胸を張って使いましょう。その姿勢のほうが、かえって円満な退職につながります。
引き継ぎと両立させる3つのコツ
①引き継ぎ資料を早めに作る。受け持ち患者さんの情報、委員会や係の仕事、物品の場所などを一覧にしておくと、休みに入ってからの問い合わせが減ります。②最終出勤日を引き継ぎの締め切りにする。有給中に職場から呼び出されないよう、やり残しをつくらないのが鉄則です。③ロッカーや貸与物の返却日も決めておく。ユニフォームや名札、鍵などは最終出勤日に返せるよう準備しましょう。
次の職場の入職日・年末の手続きとの関係
有給消化中はまだ現職に在籍しているため、次の職場の入職日は退職日の翌日以降にするのが基本です。内定先には「現職の退職日が◯月◯日のため、入職は◯月◯日以降でお願いしたい」と早めに伝えておきましょう(内定後の流れと返事の仕方)。年内に退職して翌年入職する場合のスケジュール全体は11月に動いて年内内定を目指すスケジュールにまとめています。
年末をまたいで退職する場合は、年末調整や源泉徴収票の受け取り、健康保険の切り替えなども関わってきます(年内に転職する看護師の年末調整、退職後の手続きまとめ)。手続きの詳細は職場の担当者や市区町村などの公的機関に確認してください。
まとめ
- まず有給の残日数・失効日・就業規則を確認する
- 買い取りは職場しだい。使い切る前提で計画する
- 組み方は「引き継ぎ中に分散+最後にまとめる」が現実的
- 退職の相談と同時に、最終出勤日・有給日数・退職日をセットで伝える
- 入職日は退職日の翌日以降。年末をまたぐなら手続きも早めに確認
冬のボーナス後の退職を見すえた全体の流れは冬のボーナスをもらって転職する逆算スケジュールもあわせてどうぞ。
